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2021.05.12 IT

中小企業のDX推進

こんにちは。
プロスワークの磯島です。

今回は中小企業の「DX」について取り上げたいと思います。

DXって何?


皆さんは「DX」という言葉を聞いたことがありますか?

「DX」とは、デジタルトランスフォーメーションを意味し、
デジタルによる変革を表します。

余談ですが、なぜデジタルトランスフォーメーションが「DX」なのかというと、
英語では「Trans」を「X」と訳す習慣があるからだそうです。

単なるIT化やデジタル化ではなく、ITを「手段」として変革を進めることが目的です。

DXへの取り組み状況


総務省がとりまとめた
デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン』によると、

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、
データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、
製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、
業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、
競争上の優位性を確立すること」

と書かれています。

では、日本において、DXはどれくらい推進されているのでしょうか?

ちょっと古いですが、2019年11月に日経BPが公表した「デジタル化実態調査」の結果によると
DX推進の取り組み状況は、企業規模によって大きく異なります。

300人未満 :21.8%
300人~1,000人未満 :34.4%
1,000人以上 :57.2%
うち5,000人以上 :80.3%

従業員300人未満の企業ではDXを推進している割合が約2割に留まります。

2020年からのコロナウイルスの影響で、テレワークが推進され、
半ば強制的にデジタル化が進み、現在はこの数値より改善している
と予想されますが、それにしても日本の中小企業のDXは諸外国と
比較してかなり遅れています。


中小企業におけるDX推進の課題はなんでしょうか?

中小企業におけるDX推進の課題


私は中小企業のITを活用した経営改革などのお手伝いをさせていただく機会が多いですが、
課題は以下の3つだと考えています。

・IT人材の不足
・経営者と従業員のギャップ
・IT予算確保

①IT人材の不足

1つ目のIT人材の不足については、上記で紹介した「デジタル化実態調査」にもある通り、
従業員数が増えるとDXへの取り組み状況が良くなっており、
人材が確保されれば取り組みが進めやすいことが想定されます。

小さな企業になるとIT担当者がいることはほとんどなく、
また従業員全体としてITリテラシーが高くないため、
どう進めていけば良いのかが分からず、手をつけられないのです。

外部のITベンダーに頼ることも必要ですが、
ベンダーのいいなりでITツールを導入しただけではDXにはなりませんし、
そこまで面倒を見てくれるベンダーが少ないのが現状です。

IT企業で活躍しきれなかった人材が、このような中小企業に転職して
一気にその企業のDXが推進する事例も見てきましたし、
スキルを持つ人材にアウトソーシングして、うまく行くケースもあります。

現状の自社の人材だけで推進することを考えるのではなく、
しっかりスキルを持った人材を活用することがポイントです。

経営者と従業員のギャップ

2つ目は、経営者と従業員のギャップになりますが、
こういった取り組みは、経営者は積極的に推進したいと考えるのですが、
現場の従業員はそこまでのモチベーションが上がりません。

その理由として考えられるのは

・これまで慣れているやり方を変えるのに抵抗がある
・忙しくて新しいツールを導入する余裕がない

などです。

このギャップを埋めるには、
DXの必要性と導入目的を会社のビジョンとして共有しておく必要があります。

そして、業務を激的に変更するのではなく、
身近な業務改善から少しずつ慣らしていくのも一つの手です。

Excelで行っていた売上管理をクラウドに移行するなど。

③IT予算確保

3つ目はIT予算確保です。
DX推進には必ずIT(システム)投資が伴います。

システム導入は、コストが高いというイメージが強いですし、
それなりのコストは覚悟する必要があります。

クラウドサービスであれば、初期投資は抑えられますが、
長い目でみると、やはりそれなりのコストとなります。

企業の変革には時間がかかりますし、売上に直結しない投資も多々あるため、
すぐに費用対効果が分からないため、予算確保ができず、DX推進ができない企業も多いです。

予算確保が難しい場合は、補助金の活用を検討してみましょう。

例えば、

IT導入補助金
中小企業がITツールを導入するときに活用できる補助金であり、
費用の最大3分の2(補助金上限450万円)を補助してもらえます。

ものづくり補助金
中小企業が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための
設備・システム投資等に活用できる補助金であり、費用の最大3分の2(補助金上限1,000万円)を補助してもらえます。

などがあります。

その他、各自治体の補助金・助成金などもDX推進に活用できるものがありますので、
中小企業診断士などの専門家に相談してみるのも良いでしょう。